屋外撮影時、被写体を後ろから照らしてくれる太陽が仕事をしてくれない日があります。

こんな日は、いつも通り前方からストロボを焚いても、いまいちパッとしない仕上がりになりがちです。そんなとき、どうしたらいいのか?

今回は、曇の日・陽のあたらない場所での撮影について事例をいくつか紹介していきます。

なお、繰り返しになりますが、こちらで紹介している画像は、被写体さま側で掲載いただいたツイートをこっそり引用しているものとなります。引用元のアカウントで画像が削除されたり、鍵垢となった場合はこちらの画像も消えてしまいますのでご理解ください。

いいね!やRTは、本記事に対しては不要ですので、引用元のツイートでぜひ!

事例①

こちらは、サンシャイン広場からプリンスホテル横の階段を下まで降りていったところのすぐ横の部分にある「歩行者デッキ」エリア。あまり人気のないエリアですが、人通りも少なく、うまくストロボを活用することで、撮りやすい場所でもあります。

(階段の上り下りが回数を重ねるたびにしんどくなっていきますが…)

この写真では被写体さまの前方から照明を当てつつ、後方から強めに(1/1~1/8くらいで)発光させて撮影を行っています。

この際、後ろで発光させるストロボの発光面に何もつけないと光が広がりすぎてしまうので、小型のグリッド(Godox AK-R15)をつけておくのがポイントです。

直接つけられないときには、アダプターリング(S-R1)をつけることで、だいたいのストロボに取り付けが可能です。

AD200Proをお使いの方はH200Rをつけたり、拡張ケーブルで伸ばして使うとより使いやすくなります。

事例②

こちらも、事例①とは別日の撮影ですが、ほぼ同じ位置で隣のレンガ側に向けて撮影した写真です。実物の陽射しがない中での撮影でしたが、顔にまで太陽光があたっているように見えて、なかなかの偽装っぷりに仕上がったのではと思います。

この写真では、疑似太陽光としてAD300Pro+7インチリフレクターを配置して、正面からはカメラ横に無理やり取り付けたAD200Proの光で撮影したものです。

事例③

撮影場所は同じくサンシャインのこちら。天候は曇りで16:30頃過ぎ。

後ろのレンガ壁も近く、そのままストロボで撮影するには大型ディフューザーでも使わない限り後ろに大きく影がでてしまいそうですし、逆に光を弱くしすぎてもパッとしない仕上がりになりがちで、なかなか難しいところです。

そんな中での仕上がりがこちら。

こちらは事例①と同様、ななめ後方上部からストロボで光をあてていますが、更にカラーフィルターを追加しています。

疑似太陽光のバックライトはAD200Pro+H200R。そして発光面につけたのは、すごく薄めのオレンジ色フィルター(Profoto 1/4 CTO)+グリッドAK-R15です。

周辺が薄暗いときは、フィルターを使わずにストロボを炊くと青白っぽい光になりがちなので、このようなカラーフィルターを使うのが有効的です。

※ProfotoのカラーフィルターとAK-R15はそれぞれを逆向きにすることで取り付けが可能です。(磁石弱めになってしまいますが、とりあえずくっつくので撮影は可能です。)

※1/4 CTOフィルターですが私が購入したものは廃番となってしまっているようで、現在はQuarter CTOとして売られているようです。(※リンク先はマップカメラさん)

※すこし離れた位置にストロボを設置することになりますので、ライトスタンドが絶対に倒れないよう注意して配置しましょう。

事例④こんな使い方も

こちらも曇りの日で、イベント終了時刻となる17時ちょっと前くらい。周辺はまだかろうじて明るい程度の環境下で、撮影場所がこちら。

少しステージを意識した照明に。

使用している照明は事例②と同じですが、光の強弱やカメラ側の設定値を変えつつ、現像時にも背景を更に暗めに落とすことで、このような仕上がりに。ステージ後ろの照明を意識して、バックライトは通常より強めの(1/1~1/4)あたりを調整しつつ撮影しています。
ISO250、SS1/200、f1.2、集合はISO800、SS1/200、f8くらいの設定です。

4.まとめ

基本的に、被写体のななめ後方上部から光をあててあげれば、擬似的に陽があたってるようにみせかけて撮影することができます。また、さらに調整することで撮影の幅が広がっていきます。ひかりの強弱を変えて調節しながらトライしてみてください。

より、被写体さまの魅力を引き出すことができると思います。

そして、繰り返しになりますがライトスタンドは絶対に倒れないよう設置してください。(※強風時は潔く諦めましょう!)

<補足>使用した機材
カメラ:Nikon Z9
レンズ:NIKON NIKKOR Z 50mm f/1.2 S(+ND8フィルター)
ライトスタンド:NISSIN スーパーライトスタンドDX LS-65C(1本)
ストロボ:AD300Pro、AD200Proの2本
※エツミのストロボアジャスタープロEX E-6997をカメラに取り付け、AD300Pro+7インチリフレクターを無理やりストロボ取り付け部分にくっつけています。

カテゴリー: 撮影事例集